「カオス」を抜け出し、成長する組織への変革

株式会社ターン・アンド・フロンティア

「BE YOUR PARTNER」をvisionとして掲げる株式会社ターン・アンド・フロンティア。独自サービスであるAWSの月額定額・保守監視サービス『cloud link』をはじめ、AWSの導入コンサルティングから設計・構築までをワンストップで提供。AWS認定の『AWS アドバンストティア サービスパートナー』を西日本で初取得。AWSの導入支援・運用保守業務において、クライアントに寄り添う姿勢とサポートに定評があり、関西トップの実績を誇る。EDGEが2年以上にわたり人事や組織に関するご支援を行ってきた中での変化や成果を伺いました。インタビューには、代表取締役社長 大久保 哲也様(写真左)、取締役 北畠 智弘様(写真右)、取締役 中山 晴菜様(写真中央)にご協力いただきました。

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  • 文鎮型組織からスケールできる組織へ

    佐原:まずEDGEが関わる前の状況や課題についてお聞かせください。

    大久保:当時の経営メンバーで定期的に会議を行っていた際に「○○さんが退職したいと言っている。どう対処しよう。退職されたらこんなことも考えないといけない・・・」といった話があがりました。それが定期的に繰り返されるのです。「もっと事業成長や組織拡大の話をしたいのに!」というもどかしさと、仮に組織の人数が増えると、いまより多くの時間を人の退職の話に費やすことになるだろうと思いました。いまこそ組織拡大、事業成長を前提として組織課題を根本的に解決する必要があると思ったのです。

    そんな時に、佐原さんとの出会いがありました。経営上の課題として避けて通れない組織と人の課題を心理学や論拠をもとに解決してきた実績と、相談する中で、いまの自社の状態をスッと入ってくる言葉で言語化していただけたという2点をもって、お力をお借りしたいという結論に至りました。

    北畠:いま大久保さんの話を聞いていて、その当時のことを思い返していたのですが、当時悩まされていた”人”の課題というのは、いまは当時の10分の1ぐらいのボリュームになっている気がします。これはとても大きな変化だと思います。

    佐原:依頼いただいた当時のEDGEへの期待値は、どのようなものだったんでしょうか?

    大久保:EDGEさんに関わっていただく前は、全ての課題に対して経営層が直接関わって解決しなければならず、それも次から次へと課題が湧き出てくるわけです。課題がひと段落したら次は賞与の話になる。でも評価制度がまともに機能していなかったが故に賞与を決めるのもひと苦労というようなことが発生して本当に疲弊していました。市場は間違いなく拡大しており、これからも伸びていく確信はありました。そんな中で組織や人に対して悩んでいる事について答えを知りたい、考え方の軸になるような理論を教えてほしいというのが期待していたことでした。

  • 「答えを教えてくれる人」という意味では”期待はずれ”

    北畠:佐原さんは数百社に関わってきて私たちが知らない答えを知っている人なんだと思っていました。当初は、しきりに「答えを教えてください。」「他社ではどういうことをやっているんですか?」とか「具体的に何をしたらいいんですか?」といった質問をしていた記憶があります。それに対して佐原さんは明確な正解をくれなかったんですね。当時は若干不満があったんですが、いま思い返すと私たちが自分たちで気づいて、前に進んでいくヒントを絶えず与えて、後押しして、勇気づけて、支援してくれていたんだということに気付くことができました。
    結果的に「これが答えです。」と教えてもらってただ実行するよりも、導いてもらった上で自分たちでたどり着く「これが、答えだ!」という解の方がよほど有益なんだということを実感できました。人や組織を変革させる手法を身をもって学べた面白い経験でした。

    大久保:初回のセッションを通じて佐原さんは何かを教えてくれるだけでなく、我々の会社の実情も知った上で我々の中にある答えを一緒になって引き出してくれる方なんだと感じました。そのおかげで我々の実感として「自分たちで意思決定したんだ。」と強く思っていて、決めるまでの適切なアドバイスをもらいながら、意思決定の場面では「僕らが決めた!」と思えるような進め方、関わり方には満足しています。
    EDGEさんのサービスはとても不思議です。コンサルティング、コーチング、ファシリテーション、本当に全部の要素が複合的に合わさって一言では言い表せないですね。そして言い表せない複合的なサービスであることが、大きな価値だったと改めて感じます。

    中山:佐原さんから圧をかけられた訳ではないんですが、課題に向き合わざるを得なくなるんですよね。当時の私にはマネジメントや部下育成を学ぶお手本になる人が周りにおらず、本を読むこと以外に学ぶ術が無かったんです。当社の幹部の皆さんをもちろんとても尊敬しているんですが、「マネジメントが圧倒的に得意な人」がいない状況の中で判断に迷ったり迷子になった時の相談役という意味でも、新しい知識や心構えを教えてもらうという意味でも大きな存在だったと思います。逃げずに課題に向き合う中で、すごく成長できた実感があって感謝しています。

  • まずは「カオス」を解消することから

    大久保:組織を拡大することを考えると、足元で色々なものが「カオス」でした。この「カオス状態」という表現も佐原さんと話した中で言語化できて共通認識を持つことができたんですけれど、それが言語化される前から何となく解決できていないモヤモヤや漠然とした問題が多く、純粋に会社として不足しているものが多くあるだろうと思っていました。

    これも佐原さんに教えていただいた言葉なんですが、「衛生要因」と「動機付け要因」で言うと、社員の皆さんが会社を信頼して安心して働けるような場所を作るという衛生要因的な話は、会社の拡大や成長には関係なく整えるべきだと考えました。そこに立ちはだかる壁が「カオス状態」であり、カオスの解消こそが最優先で当たるべき課題だと思ったのです。カオスの解消には多くの時間をかけました。職務分掌を明確にして、仕事の各工程間やチーム間の役割を定義することもサポートしてもらいました。まさにこうした情報整理、交通整理がカオスの解消につながったと思います。

    カオスの解消が実現したあと、企業と個人の成長を考えてキャリアパスを考えていきました。「こんなものがあったらいいな。」とか「こういうものもほしいな。」という希望は当初から考えていましたが、考えられる選択肢を全てテーブルに載せて何から優先して取り掛かるかを一緒に考えられたことも価値だと思います。経営からのメッセージを発信し、マネジメントができる体制づくりや評価制度、目標制度や定量的に可視化できる先行指標であるKPIの設計、採用や教育体系を作ることも次々に進めていきました。

  • 先が見えずに苦しんだ時期も

    佐原:いま振り返ると、短期間に多くの施策を実現されたと思いますが、どのような感覚でしたでしょうか?

    大久保:何かを決めて進めるプロセス自体は、一歩ずつ前に進んでいるという感覚はあったのですが、その一歩がとても小さく感じるぐらいに先が長すぎると思っていました。「これを検討した後にこれを検討して、その次はこれですね。」のような感じで、「これ、いつまで続くんだろう。」という思いはありました。しかも議論の終着点は意思決定だけなので、それを実際に実行する過程も考えると、とても長い道のりに思えましたね。

    北畠:私にとっては迷路でした。ずっと出口のない迷路を進んで行って、どこで何をしたら佐原さんが言うような明るい未来が来るのかな?という感じでしたね。小さなポイントでは、「これをやって良くなったんだろうな」と実感するのですが、点と点がつながって大きな課題解決に向かっているという確信を途中で持つことはできなかったですね。ただ、暗中模索が続いた中でふと振り返ってみると、先ほどお話した通り、当時悩んでいたことに悩まされていなかったり、いつも困っていたことに困らなくなっていて、じわじわと効いていることに気付かされました。

    中山:その感覚は私もわかります。モヤモヤしていた様々な問題やカオスが少しずつ無くなっていったこと、私自身のマインドの変化も事態が好転していると実感できた大きな理由かと思います。佐原さんに言ってもらったことは、名言集のように記憶に残っているんですが、自分の意識がじわじわ変わっていった感覚があり、毎回学びがありました。ディスカッションや会議のファシリテーションだけではなく、個別にコーチングしていただけたのが良かったです。

  • 多様な経営メンバーによる質の高い”議論”ができるようになった

    中山:最初のころ、佐原さんとの会議は憂鬱でした。集中しないと議論についていけないということもありましたが、それまで「ディスカッション」をしてこなかったんですよ。議論を戦わせることもあまりなかったですし、私も当時は少し遠慮していました。役員として一番下っ端で「私なんかが言っても、、」という感情もありました。それについても佐原さんから「中山さんがまだ遠慮している気がする。」と個別コーチングの機会に言われ、「同じ役員という立場なんだから、遠慮せずに思ったことを言わないと役員としての職責を果たせていない。」という話をしてもらって自分の意見を言えるようになり、ディスカッションが楽しくなっていきました。

    大久保:先ほど、「とても長い道のりに思えた。」という話をしたのですが、いま中山さんのコメントを聞いて、これまでの過程で我々が議論慣れできたんだと改めて実感しました。最近の会議では、意見をぶつけ合うことに対するハードルが下がっています。私たち3人は、見ているものも考え方も違うので意見が合わないのが良いところだと思うんですよね。積極的に議論をする前の私の認識では、意見が合わない=単純な衝突 だと捉えていたんですが、いまは違う意見を聞きながら新しい答えを出していく過程だと考えられるようになって、良い答えを出すための強みだと捉えています。みんなが同じことを言ったらすぐに物事は決まりますが、必ずしもそれが正しい答えではないと思うんです。さまざまな意見が出ることをとても前向きに捉えられるようになりました。

  • 様々な変革の先にあった”ポジティブコミュニケーション”の溢れる組織

    佐原:様々な変革の先に、社内がどのように変化したか教えてください。

    大久保:キャリアパスを設定したことで、マネジメントを目指す方向と専門職として強みを研ぎ澄ます方向のいずれかを自発的に選択して、先に進んでいきたいという人が出てきていることがとても嬉しいです。そしてその裏側には、その人物の上長がコーチングをしたり、1on1の中で適切な導きをしているがゆえの結果であると感じています。

    北畠:佐原さんにお願いする前は、直接的、間接的なものに関わらず会社や組織に対する不満が聞こえてきていました。取り組みを続けていった中で、いま「カオス」という言葉すらも聞かなくなってきています。先日取ったアンケートでも「大切にしたい仲間がいる」という設問にほぼ全員が丸をつけていて、いいチーム、会社になったという実感が湧いています。

    中山:会社方針に対して斜に構えず、自ら意図を汲み取って理解しようとする人が増えたと思います。

    大久保:組織規模が拡大する中でもそうなっているのは、基準を決めたことが大きかったと思います。評価制度が根本にあると思いますが、基準を設定して基準に沿って評価し、期待していることや求めている行動を明文化して伝えることができているのが要因だと考えています。

    中山:ポジティブなコミュニケーションが増えたのは間違いないですね。職務分掌を整理して役割を明示したことによって、業務における責任範囲がはっきりしたので、どちらのボールかわからない状態もなくなりましたし、それぞれのチームのゴールをKGI、それに対する先行指標をKPIとして設定したことでお互いの目標達成に向けて協力する姿も目にする機会が増えました。

    大久保:現在四半期に一度のキックオフミーティングを行っていますが、ここでは社長以外の幹部もそれぞれの管掌領域について話すようにしてもらっています。佐原さんとの取り組みの前半で経営からのメッセージ発信に取り組みましたが、我々も言語化して伝えることに慣れてきたので、定期的に会社の方向性を伝える機会を持つことができています。これも社員の皆さんの安心感につながっているんだと思います。

  • EDGEのコンサルティングを検討している方へメッセージ

    佐原:最後にEDGEのコンサルティングを受けようか迷っている方へのメッセージをお願いします。

    北畠:すぐに成果は出ないですし、辛い現実を直視させられて苦しいです。人事課題を解決する方法や選択肢は数多くあると思いますが、その中で自社にあった選択肢を選べるかどうかで会社の未来は大きく変わると思うんです。佐原さんは自社にあった選択をするための適切なサポートをしてもらえる信頼できる方だと思います。そして一番強く思ったのが、佐原さんがいなくなっても自分たちでやがて考え、行動できる状態にしてくれる。これもとても大きな魅力だと思います。

    大久保:組織の問題は勝手には解決しないです。いまの制度、いまの経営者からの発言、いまのメンバーで、その問題が起こっていると思うんですよね。そうすると組織や人の問題はそのまま放置しても解決することはなく、問題が継続する、もしくはもっと悪くなるしかないと思います。特に課題を放置して組織規模が大きくなると、より問題は根深く複雑化します。そう考えれば少しでも課題を感じていて、会社を長く続けたいと思うのであれば、いま起きている人や組織の問題から目を背けてはいけないと思うんです。苦しい思いもしますが、経営層が現実を直視し、そこに向き合うサポートをしてくれるのがEDGEさんのコンサルティングだと思います。

    中山:改めて振り返ると、自分たちだけで取り組んでも絶対に生まれない価値が佐原さんのコンサルティングにはあったと思います。でもそれは、一般的な正解や手法を教えてもらったからでは無いんです。コンサルティングの場でも、コーチングの場でも、会議のファシリテーションの中でも、新しいことを教えてもらい、整理してもらう一方で自分たちの中にある何かが引き出されていく感覚があって、それらが全て揃っていることが、とても凄いことなんだと思います。組織や人の課題は自分たちの社内の問題だから自分たちで何とかしようと思っている方が多いと思いますが、自分たちだけでは絶対に生み出せなかった価値があったと断言できます。

  • Interviewer’s VIEW

    聞き手:EDGE株式会社 代表取締役チーフエヴァンジェリスト 佐原 資寛

    EDGE 佐原当初は経営から現場へメッセージを伝えるあらゆる手段が未整備でしたが、様々な制度や体制を整え、組織規模もどんどん拡大しています。社員の皆さんの仲の良さも同社の特徴ですが、経営や上役への不満で結束するのではなく、お互いのために助け合う姿勢が全員にある点が同社の大きな強みであり特徴です。当社のAWSサーバに関する相談に乗っていただいた際も、親身になって当社の運用を考えていただき、とても実効性のある提案をしていただいたのが印象的でした。

    <株式会社ターン・アンド・フロンティアの詳細はこちらをご覧ください>
    https://www.taf-jp.com/

    ターン・アンド・フロンティア様にご活用いただいたのは、人事・組織開発コンサルティングの【PLAN B 人事・組織課題解決コンサルティングプラン】です。